小島 聖

日々

2021.04.14


樹々が芽吹き、花は蕾がふくよかになり始め咲き、そして風と雨に打たれて散るものもあり
肌に触れる空気が暖かく甘い匂いを運んでくる
少し自然の多い場所を散歩していたら足元によもぎや蕗の薹が咲いていた
気を向けなければ靴で踏んでおしまい
だけどちょこっと気に留めてみるとおもしろい
もっといろんな食べられる種類の野草が足元に広がっているはず
でも知識のない私はこの2つだけを見つけて摘んで匂いを吸い込んだだけで
日常より少しだけ豊かになった
それを持ち帰り、水洗いをしてよもぎは草餅に
蕗の薹は蕗味噌やくるみと炒めてパスタのソースにしたりと
春の苦味を楽しんだ。
都会のど真ん中のビルの中で友達が畑を作っている
都会とは思えないほどのきもちのいい一角
私がわかるものだけで
パセリ、ぶどう、びわ、いちじく、ケール、レモン、ゼラニウム、セージ、ミント、フェンネル
ありとあらゆる野菜、ハーブ、果物が育っていた。
種を採取するために伸び切ったケール。てっぺんには黄色い花を咲かせている
「たべてみていいよ」
と言われたので開いて咲いてる小さな黄色い花を口に入れる
みずみずしくておいしい
甘い
蕾の花も食べてみる
プチっと弾けて中からジューシーな美味しさが口の中に広がる
ケールは葉っぱしか食べたことがなかったので新しい発見だった
「最近ミミズが生まれたんだよねー」
と友達が教えてくれた
足裏に感じる土は柔らかくフカフカしている
子供と近頃はダンゴムシ探しをしている
冬眠するダンゴムシが暖かくなりようやく活動を開始した
足元のアリも働いて忙しそうだ

春から初夏に変わる頃にこんな都会の自然を感じる場所で
植物、果物、野菜を素材に紙芝居の会をやろうと思っています。
はたらきアリのように自分の宝物をよいしょよいしょと運んで
きらきらの宝石を作るような物語と会になるように準備中です。

苦味を欲する
苦味を欲する